医局紹介

教授挨拶

ご挨拶

皆さんこんにちは。令和元年7月に、縁あって琉球大学整形外科学教室の第3代主任教授に就任いたしました西田康太郎です。初代茨木邦夫教授、第2代金谷文則教授が築いて来られた教室を引き継がせていただいたことを大変光栄に存じます。沖縄の方々は優しく、明るい方が多い印象です。さらに意外に縦社会がしっかりしていて上下関係もはっきりしていると思います。また、昔ながらの風習や習慣がよく残っており、家族の絆や様々な行事等も大事にしているように感じています。あまり時間がとれず、十分な散策ができておりませんが、海や自然の美しさ、琉球王朝時代の遺構の素晴らしさは特筆すべき点かと思います。まだ沖縄に赴任して間もないですが、沖縄が大好きになりました。

整形外科とは?

整形外科は運動器の治療・研究を行う診療科です。運動器とは、我々の体を自由に動かすために必要な脊椎、四肢骨、関節といった骨格にはじまり、それを動かし支持する筋肉や靭帯と神経系から成り立っています。治療対象となるものは、小児の発達障害や変形から高齢者の変性疾患まで、非常に幅広い疾患を含みます。具体的には骨折や捻挫などの外傷やスポーツ障害、骨軟部の腫瘍性疾患から骨粗鬆症、四肢の関節障害から関節リウマチ、頚椎から骨盤に至る脊椎/脊髄障害から末梢神経障害まで実に多様な疾患が含まれます。手術手技に関しても、非常に繊細なmicrosurgeryから、人工関節や脊柱変形矯正に代表されるダイナミックな手術まで様々な手術が存在します。私たちは診断、保存的治療から切り札としての手術、さらにリハビリテーションまでを一貫して担当します。高齢社会の到来により整形外科のニーズは高まる一方です。

琉球大学整形外科の方針について教えて下さい

教室の基本指針として「目の前の患者さんのために、目の前にいない患者さんのために」を掲げております。まずは個々の医師が目の前の患者さんを治療できるだけのスキルを身につける必要があります。またそれで対応できない部分はシステムとして補えるようにしなければなりません。沖縄は離島から成り立っています。その地政学的な特徴と制約から、可能な限り沖縄の患者さんは沖縄で、最高レベルの治療を受けていただきたく思います。それが「目の前の患者さんのために」という意味です。一方、個々の医師が治療できる患者の数はたかが知れています。一人でも多くの患者を治療するためには、目の前にいない患者さんを意識して日々活動することが重要だと考えるようになりました。その一つとして、目の前の患者さんから得た知見を学会発表や論文という形で社会に広く還元することが挙げられます。さらに未来の患者さんを見据えて、後輩を教育し良医を育成すること無くして将来はありません。また、より良い治療方法や新たな治療を開発することも重要です。これらのことが、「目の前にいない患者さんのために」という意味です。

沖縄の整形外科の未来は?

日本最南端の沖縄には大いなる可能性を感じています。温暖な気候と美しい自然は多くの人々を惹きつけます。那覇空港には第2滑走路が整備され国際物流のハブ空港、アジアの玄関口としてさらに発展が見込まれています。高齢社会の中においても沖縄は、人口の自然増加率が国内で唯一増えている稀有な地域でもあり、いろんな意味で大きく成長が見込まれています。大学病院の移転計画や、最先端の医療設備も着実に整いつつあります。まずは沖縄で完結できる最高水準の医療を提供すること、さらに独自性のある医療を展開し最先端を目指すこと、そして世界へ。私たちの挑戦は今始まったばかりです。

最後にメッセージをお願いします。

私はエリートでもなんでもありません。私より優秀な医者は、ここ沖縄にもいくらでもいると思っています。ただ、患者さんをなんとかしたいという気持ちは、少しだけ皆さんよりも強いように思いますし、またその為なら頑張れます。これまで以上に皆様のお力を拝借し、それを結集しながら、大きな流れを創造してまいります。まずは目の前の患者さんに対して、ここ沖縄で完結できる最高レベルの整形外科医療を目指します。さらに、目の前にいない患者さんのために、研究発表や新しい治療の開発、また後輩の教育にも尽力いたします。そしてここ沖縄から、日本、さらには世界の整形外科医療をますます盛り上げていく覚悟です。皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。

略歴

1992年 鳥取大学医学部医学科 卒業
1992年 神戸大学医学部附属病院 研修医
1993年 国立神戸病院(現神戸医療センター)研修医
1996年 米国ピッツバーグ大学整形外科 特別研究員
2000年 神戸労災病院整形外科 医師
2001年 神戸大学整形外科 医員
2004年 神戸大学整形外科 助手(2008年より助教) 
2010年 神戸大学整形外科 講師、脊椎班チーフ
2016年 神戸大学整形外科 准教授
2018年 神戸大学整形外科 脊椎外科学部門 特命教授
2019年7月 琉球大学整形外科 主任教授に就任

主な専門分野

脊椎外科全般:特に脊椎腫瘍、成人脊柱変形、骨粗鬆に関連する脊椎障害、腰部脊柱管狭窄症など
椎間板基礎研究

受賞歴

Founder's Award; Eastern Orthopaedic Association (EOA), USA 1999
Volvo Award; International Society for the Study of the Lumbar Spine (ISSLS), 1999
Outstanding Paper Award; North American Spine Society (NASS), USA 1999 (Coauthor)
Outstanding Basic Science Research Award; Cervical Spine Research Society (CSRS), 1999 (Coauthor)
Best Paper Award; ISSLS, 2000
ISSLS 日本支部学会奨励賞; ISSLS 日本支部, 2003
2nd Place Clinical Research Paper Award; CSRS, 2011 (Coauthor)
学会奨励賞(大正富山アワード); 日本脊椎脊髄病学会, 2012 (共同研究者)
学会奨励賞; 中部日本整形外科災害外科学会, 2013 (共同研究者)
学会奨励賞; 中部日本整形外科災害外科学会, 2014 (共同研究者)
学会奨励賞; 中部日本整形外科災害外科学会, 2015 (共同研究者)
最優秀ポスター賞; 日本側弯症学会, 2015 (共同研究者)
2nd Place Clinical Research Paper Award, CSRS, 2015 (Coauthor)
最優秀演題賞; 脊椎外科を学ぶ会, 2016 (共同研究者)
学会奨励賞; 中部日本整形外科災害外科学会, 2018 (共同研究者)
Best Poster Award; ISSLS, 2018
最優秀演題賞; 日本腰痛学会, 2019 (共同研究者)

医局長挨拶

琉球大学整形外科
海に囲まれ、他県と遠く離れた大学病院だからこそ
臨床・研究・教育を両立できる環境がある

医局長の役割について

2022年7月から医局長をしています東千夏(あずま ちなつ)と申します。沖縄県沖縄市の出身です。大学の医局とは教授を中心として、地域の医療機関と連携し地域に根差したより良い医療を行うため、診療はもちろん研究を含めた医療に関わる様々なことを行う組織です。若い医師や医学生を将来素晴らしい医師に育てることも医局の大事な役割です。医局長は教授を中心とした医局と地域の医療機関が連携を取るためのコーディネーター的な存在です。

現在の医局について

2019年7月に西田康太郎教授が就任し、2020年から新体制になりました。専門グループを①脊椎、②腫瘍、③手外科、④小児・リハビリテーション、⑤スポーツ・関節リウマチ、⑥人工関節・骨盤骨折の6つのグループに再編成し、専門性の高い診療が行える体制になっています。臨床面ではこれまでの悪性腫瘍の広範切除や手外科の先天疾患などの専門性の高い難しい手術に加えて、症候性側弯や成人脊柱変形など沖縄県で行っていなかった手術が可能になりました。またナビゲーションや術中CTを用いた手術も多数行われています。研究面では新しい抗がん剤の開発、手関節周囲疾患の病態解明、脂肪幹細胞の3Dバイオプリンタを用いた靭帯再建、滑膜や骨髄由来の幹細胞を用いた研究などを行っています。

これから琉球大学整形外科はどこに向かってほしいか

私たちはもっと専門性を高めて、高度な治療や難渋例に立ち向かいたいと思います。西田康太郎教授が就任したことで、私たちは新たな取り組みを行っています。脊椎外科疾患では治療の幅が大きくなり、成人脊柱変形、症候性側弯といった難手術にも対応が可能となりました。また、転移性骨腫瘍など他科や連携した治療も開始しています。各グループとも専門性を高め、互いに知恵と技術を集結し、困難な治療に挑戦しています。さらにロコモティブシンドローム、骨粗鬆症の啓蒙・予防・治療など、身体や骨が衰える前に予防や治療を行い、患者さんをできるだけ痛みや骨折から守り、生き生きとした生活を送っていただきたいと思います。
研究の面では、これまでの治療の見直しや新しい治療を開発するために、さまざまな研究を立ち上げています。腰痛や姿勢異常の原因になる成人脊柱変形の病態を解明し、新たな治療戦略を考えています。骨肉腫などの悪性の骨・軟部腫瘍に対しては、新しい抗がん剤の開発の研究を行っています。再生医療では、バイオ3Dプリンターを用いた前十字靭帯再建の研究を行っています。基礎研究は、新たな治療法の土台となり、疾患で苦しんでおられる多くの人たちに福音をもたらすことができる可能性があります。独創的で将来の患者さんに還元できるような研究を開発・継続していきたいと思います。 教育の面では、2020年3月のコロナウイルス感染予防対策をきっかけに、大きく前進しました。オンラインでのカンファレンスやミーティングが当たり前になり、海を隔てて遠く離れていても全国とつながることが可能となりました。医学生や専攻医へアクティブラーニングに準じた指導や教育を行うことで、これまで以上の質の高い、新しい教育が始まっています。これからの医学生や専攻医の先生方の成長が楽しみです。 沖縄のいいところは「ゆいまーる」のこころがあるところです。沖縄県の患者さんを治療し、沖縄県を健康にするという目的に向かって、様々な立場の病院、先生方が一丸となって協力し合う、その素地がすでに私たちには文化として根付いています。琉球大学整形外科は、今後も沖縄県の整形外科医療の推進のために尽力したいと思います。

教室の歴史

教室の沿革

琉球大学は1950年(昭和25年)5月22日に米国民政府管轄下のもと開学しました。その後1966年に琉球政府立大学の時期を経て、1972年5月の沖縄県の本土復帰とともに国立大学となりました。1968年5月、医学部の母体となる保健学部が設置され、2年後に新那覇病院が琉球大学附属病院と改名されました。1981年(昭和56年)に医学科8講座、保健学科4講座にて構成される医学部が誕生し、翌年の1982年(昭和57年)に整形外科学講座が開講されました。1984年(昭和59年)10月には現在地に医学部附属病院が移転しました。


石田寛友 科長(助教授)

1973年7月1日-1978年7月31日

石田寛友先生は、昭和48年7月に琉球大学保健学部附属病院の設立に伴い保健学部助教授として赴任されました。昭和49年1月より同附属病院初代整形外科科長を併任、昭和53年8月聖マリアンナ医科大学形成外科助教授として転任されました。


初代

茨木 邦夫 教授

1981年12月1日-2000年3月31日

茨木邦夫教授は昭和54年5月、琉球大学保健学部附属病院整形外科助教授として赴任され、医局員わずか4人でスタートしました。昭和57年4月には初代医学部教授として整形外科学講座を開講し、同年には手の外科グループを組織し、マイクロサージェリーを駆使した手術を導入されました。茨木教授は病院長、医学部長を歴任、この間JICA活動の一環としてラオス国公衆衛生プロジェクト国内委員長として、セタティラート病院設立に貢献、南に開かれた大学という琉球大の理念を実現させました。


第二代

金谷 文則 教授

2000年4月1日-2019年3月31日

金谷文則教授はさらに専門のマイクロサージェリーを発展させました。小児先天奇形、特に先天性橈尺骨癒合症に対する血管柄付き脂肪移植を用いた受動術を開発し、現在、症例は50例に及び、国内はもちろん、海外からも問い合わせが多く、全国から患者さんが集まってきています。


第三代

西田 康太郎 教授

2019年7月1日-

西田康太郎教授は、2019年7月に神戸大学から赴任されました。

スタッフ紹介

西田 康太郎

主任教授

當銘 保則

准教授・整形外科副科長

神谷 武志

リハビリテーション部副部長・講師

東 千夏

講師・医局長

仲宗根 哲

講師

大久保 宏貴

助教

島袋 孝尚

助教・副医局長

仲宗根 素子

助教

金城 英雄

助教

上原 史成

助教

翁長 正道

医員

当真 孝

医員

比嘉 浩太郎

医員

大城 裕理

医員

鷲崎 郁之

医員

米田 晋

医員

國吉 さくら

大学院生

青木 佑介

医員

伊藝 尚弘

大学院生

屋比久 博己

大学院生

宮師 雄太

医員

吉川 誉士郎

専攻医

女性医師の活躍

女性整形外科医師に対する取り組み

琉球大学整形外科では男性と同様な整形外科専攻医の研修機会を与え、出産・育児期間は本人のニーズに合わせた就業形態で、ワークライフバランスを考慮し、男女に関係なく、お互いをサポートし合うシステムを作り、結婚・出産後の整形外科キャリア形成のための産後支援システムを構築し、家庭と仕事を両立できるようにする取り組みをしております。

女性医師からのメッセージ

東千夏先生からのメッセージ

なぜ整形外科を選んだのですか?
学生の頃、外科系に進みたいと思っていたので、一般外科、産婦人科、整形外科で悩みました。
整形外科を選んだ理由はたくさんあります。
 ・術後の患者さんが元気だった
 ・歩けなかった患者さんが歩いて退院する、そんな医療が出来る
 ・患者さんは老若男女問わない
 ・尊敬できる先輩がいた
 ・これからの高齢化社会でも必要とされる医者になれるな〜、食いっぱぐれることはないな〜
 ・外科系だけど、夜な夜な緊急手術で起こされることは少ないかな〜
 ・メジャーっぽいけど、メジャー外科よりQOLが保たれるかな〜
 などなどでした。
整形外科を選んでどうでしたか?
私が入局した頃は、先輩に1人、同期に1人しか女医がいない時代でした。その頃の先輩方は男性ばかりで体格も大柄な方が多かったので、ここで大丈夫?やって行ける?と不安もありました。
術中にハンマーが使えなかったり、麻酔のかかった下肢が重くて持ち上げることも支えることも出来ず悔しい思いをすることもありました。 また、朝の弱い私にとって早朝のカンファレンスが苦に感じることもありました。
でも、先輩方に優しく時には厳しく指導して頂き、褒められたりたまには怒鳴られたりしながら仕事する中で、整形外科での女医の役割みたいものが少しずつ見えてきました。
整形外科の手術は大工仕事のように見えた時期もありましたが、とても繊細な部分も多いです。
整形外科医は、まじめだけど大胆で発言力や行動力があって、細かいことにこだわる、すぐ忘れるけど心に残ったことはいつまでも覚えている、そういった女性のちょっと矛盾した特性を生かせる仕事だと思います。
現在ではたくさんの女性の後輩もいて、その活躍ぶりをみると女性が輝ける分野だと思います。
仕事はどうですか?
仕事は先輩や同僚、後輩と協力しながらやっています。
保存治療も手術療法も患者さんが良くなることが多いのでやりがいがあります。
キャリア形成について
琉大整形外科では患者さんのためになることや沖縄県に貢献できることを、存分にできる環境だと思います。
県外への研修や研究、県内での研究など様々事にチャレンジ出来ます。
医療はもちろんのこと、他科や地域との連携も可能でとても良い環境だと思います。

仲宗根素子先生からのメッセージ

なぜ整形外科を選んだのですか?
スポーツが苦手で体力に自信がなく、体育会系とは縁のない学生生活をしていたため、正直に言うと整形外科には向いてないと思っていました。琉球大学の医局を見学した際、カンファレンスがとてもacademicだったこと、機能解剖に基づいた治療を理論的にわかりやすく説明していただいたことが大変印象的で、入局の決め手になりました。
整形外科を選んでどうでしたか?
患者さんの生活に寄り添った治療ができることが大きな魅力の一つです。患者さんの声を聴き、もてる技(内科的手法、理学的手法、外科的手法などさまざま)を用いて治療し、患者さんの生活をよくすることができます。小さな疾患からも「治った!」「よくなった!」という大きな手ごたえを感じることができるのは、整形外科という分野の幸せなところだと思います。特に女性医師は思うようにバリバリ働けない時期もありますが、そんな時こそ「患者さんを助けられた」という実感がモチベーションになります。 なお、体育会系でなくても活躍できます。
仕事はどうですか?
私は2児の母で、医師9年目で一人目を出産、11年目(大学院在籍中)に2人目を出産しました。現在大学病院で手外科を診療しています。実家は県外にあり、主人も整形外科医で多忙のため家事育児は私が中心です。 現在、私が家事育児をしながら勤務することが可能な理由は、琉球大学整形の温かいチームとご協力のおかげです。具体的には、朝のカンファレンスにオンラインで参加できる、私の手術を早い時間に入れる、情報を共有し私が不在時に対応していただく、気軽に相談ができる、などです。このようなサポートのもと、限られた時間で集中して仕事をしています。
キャリア形成についてどう考えていますか?
女性は(本当は男性も)出産や子育てをする時期とキャリアを積む時期が重なるため、その時々の状況に応じて働き方を柔軟に変えていく必要があります。琉球大学整形外科は女性医師が少ないからこそ、個々の声に耳を傾けることができると感じています。また、整形外科はチームで診療しているため、日々コミュニケーションを大切にしており、仲間を助け、後輩を育て、自己研鑽するという土壌があります。これは女性、男性にかかわらずライフイベントが生じた際にお互い支えあえる、非常に心強い文化で、キャリア形成の助けになっています。

知念修子先生からのメッセージ

なぜ整形外科医を選んだのですか?
学生時代のスポーツ競技で整形外科を受診したことが何度かあり、それが医師を志すきっかけとなりましたが、初期研修医の時は他科と進路を迷っていました。そんな時に小指屈筋腱断裂治療後の高齢男性が「また三線をひけるようになった!」と嬉しそうに話された姿に感動し、命に直結しないことがほとんどですが患者さんが失った趣味や生きがいをまた取り戻せるような治療ができるところ、同じ疾患に対する治療が患者さんの生活背景やニーズによって違うところにとても魅力を感じ、整形外科を選びました。
整形外科を選んでどうでしたか?
選んで正解でした。痛くて歩けない、手が使えない患者さんが術後にまた歩けるようになる、普段の生活を取り戻し喜ばれる姿をみるととても嬉しく、整形外科を選んで良かったなと実感します。また整形外科には脊椎・関節・手・腫瘍など専門分野が多岐に渡ってあり、さらに専門性を高めることができることも魅力のひとつだと思います。男性が多い科で力仕事のイメージを持たれがちですが、実際に特別な体力・筋力が必要と感じたことはほとんどありません。そしてどの病院も明るくざっくばらんな雰囲気なので楽しく仕事ができます。また琉大には素敵な女性医師の先輩方・頼もしい後輩がいて、恵まれた環境で働けていると感じています。
キャリア形成についてどう考えていますか?
私は卒後9年目で、これまでは関連病院でおもに外傷を中心に担当させて頂いていました。それと同時に専門を手外科に決め、関連病院の手外科の先生方にご指導頂いて診療・手術を行っていました。まだまだ未熟ではありますが年を追うごとに充実感も出てきて仕事が楽しくなってきましたが、数年前に結婚し、出産・育児といった生活設計も考えていました。そんな時に大学院進学のお話を頂きました。生活設計を考慮しての選択肢でもあり、キャリア形成においてもこの進路を提案して頂けたことに感謝しています。去年から大学院生となり、現在は研究を行っています。まだ女性医師は少ないですが、女性医師が働きやすい環境づくりを考えてくれている医局だと感じています。子育てをしながらキャリアを形成されている先生もいますし、女性医師の先輩方が各分野で活躍されているのを身近でみることができ、これからのワークスタイルの良い道しるべとなっています。

國吉さくら先生からのメッセージ

なぜ整形外科医を選んだのですか?
直感でいいな!と思ったあと、実習や研修を通してやはり整形外科医になりたいと確信したからです。学生の授業の時から「全身を診療できるって楽しそうだな」、と思っていましたが、臨床実習で実際に整形外科を回ったとき、ピン!と整形外科医として働きたいと感じました。もちろん琉球大学の医局の先生方が優しく、雰囲気がよかったということもありますが、初期研修で県外の病院に勤務していた際もやはり整形外科が一番楽しく、「学問として整形外科が好きだな」と改めて確認できたため、迷いなく整形外科を選択できました。
整形外科を選んでどうでしたか?
私は卒後7年目までは関連病院で外傷を中心に診療に携わってきました。たくさんの骨折の手術や外来診療を経験させていただいた期間は、先輩方に親切なご指導を頂き、忙しい中でもやりがいを感じる充実した日々を送っていました。専門医取得と同時期に第一子を出産し、それを機に大学院へ進学、人工関節グループの一員として研究を行っています。以前のように沢山の患者さんに接し、治療にあたる機会は減ったため少し寂しい気持ちもありますが、自分の好きな分野についてじっくり考える貴重な時間を頂けたことに感謝し、日々研究に取り組んでいます。市中病院での勤務、大学院での研究の全く異なった働き方を経験させていただき、整形外科医といっても多様な働き方があるのだな、と実感しております。
キャリア形成についてどう考えていますか?
現在私は、旦那が遠方で勤務しているため平日の育児になかなか参加できないこともあり、沢山の業務を免除していただいています。育休後の復帰前も医局長やグループ長から細やかな連絡があり、どのような形でこれから働いていくか相談に乗っていただけました。たとえば自宅にいても研究ができるようにパソコンでの作業を主とした研究内容をご提案していただき、子供が発熱で自宅保育をしているときも隙間時間に研究を進めることができています。仕事との両立のイメージがわかず、結婚育児とライフイベントがやってくることにおびえていた時期もありましたが、悩んだら相談に乗ってくれる先輩方や理解のある上司に恵まれ、今後も自分のできる範囲でコツコツとキャリア形成をしていけると感じています。

新入局員からのメッセージ

吉川誉士郎 (よしかわ・よしろう)先生

入局
2021年
出身校
琉球大学医学部(2019年卒業)
初期研修
友愛医療センター
入局を決めたのは?
患者のADL・QOL向上に貢献したいという思いがあり、整形外科医になることを医学部入学前から決めていました。琉球大学整形外科学講座であれば私を一人前の整形外科医として育ててくれると確信し、入局を決めました。
琉球大学整形外科の魅力は?
ほとんどの県内基幹病院に指導医がおり、また病院間でも多くの先生方からカンファレンスやレクチャー等通して指導していただけます。また、この小さい島の整形外科医療を支えているという責任と使命感が琉球大学整形外科医のモチベーションの根っこであると感じており、口にしなくとも熱い先生が多いことも魅力だと思います。
今後やってみたいことは?
整形外科全般の知識技術を習得するとともに、興味のあるスポーツ分野についても理解を深めていきたいと考えています。

當山全哉 (とうやま・ぜんや)先生

入局
2021年
出身校
琉球大学医学部(2019年卒業)
初期研修
那覇市立病院
入局を決めたのは?
元々、ドライバやドリルなどの工具を扱う職業についており、その業務が好きでした。整形外科の手術でも、似たような器械を扱い、さらにそれが治療につながるため、整形外科に魅力を感じ入局を決めました。
琉球大学整形外科の魅力は?
豊富な症例数と手術件数の実績や、Webを利用して連携施設とのカンファレンスを通して学ぶことが可能であること。
今後やってみたいことは?
整形外科全般の知識技術を習得するとともに、術後感染症について学んでいきたいです。

赤嶺尚里 (あかみね・なおり)先生

入局
2020年
出身校
琉球大学医学部(2018年卒業)
初期研修
JCHO東京新宿メディカルセンター
入局を決めたのは?
将来的に、地元沖縄の医療に貢献したい気持ちがあり、琉球大学整形外科の雰囲気の良さに惹かれたためです。
琉球大学整形外科の魅力は?
レジデントとして、能動的に仕事が出来るようなシステムが整っており、各グループの横のつながりが強く、全体がまとまって、厳しくも楽しく仕事を行っているところ。
今後やってみたいことは?
これまでの整形外科診療をしっかりと身につけて、+αでエコー診療を導入して、より質の高い医療を提供すること。

仲里翔太 (なかざと・しょうた)先生

入局
2020年
出身校
琉球大学医学部(2018年卒業)
初期研修
沖縄県立南部医療・こども医療センター
入局を決めたのは?
ラグビー部の頃から整形外科の先生方にはお世話になっておりました。医局の雰囲気がいいことは勿論ですが、各分野の先生方に指導頂く中で自分の理想となる医師像を思い描くことができたからです。
琉球大学整形外科の魅力は?
手術で患者の病状が改善していくところやりがいを感じます。
今後やってみたいことは?
まずは整形外科医として早く一人前になれるよう日常業務から基本を徹底的に学びます。自分が整形外科医という実感はありませんでしたが、外勤や執刀をさせてもらう中で整形外科医としての実感を感じつつあります。

金城英樹 (きんじょう・ひでき)先生

入局
2020年
出身校
琉球大学医学部(2018年卒業)
初期研修
中頭病院
入局を決めたのは?
初期研修病院で救急当直をしているときに、怪我で困った患者さんにテキパキ処置をしているところに惹かれました。
琉球大学整形外科の魅力は?
私は、一般病院から研修を始めました。その病院も琉大医局の先生なので、とても親身になって教えてくれます。沖縄県はほとんどの病院が琉大整形外科医局と関わりがあるので、頼もしいです。
今後やってみたいことは?
まずは、手術の楽しさを知りたいです。整形外科になり、毎日が学びの連続で、しっかりと自分の中で一症例一症例消化して行きたいと思います。同期とも皆で切磋琢磨して頑張っていきたいです。

東江拓海 (あがりえ・たくみ)先生

入局
2020年
出身校
琉球大学医学部(2018年卒業)
初期研修
ハートライフ病院
入局を決めたのは?
初期研修で整形外科を研修した際に入院していた患者さんが笑顔で元気になっていく姿をみて、やりがいを感じて入局を決めました。
琉球大学整形外科の魅力は?
大学病院で研修をした際に患者さん優しく親身に接している姿や、医局員が家族のように仲良く協力して診療している所に魅力を感じました。
今後やってみたいことは?
外来で患者さんが抱える悩みや問題点に一緒に考えて解決できるように、エコーや手術など様々な事を学んでいきたいと思っています。

山城正一郎 (やましろ・しょういちろう)先生

入局
2020年
出身校
琉球大学医学部(2018年卒業)
初期研修
ハートライフ病院
入局を決めたのは?
中高生のころからスポーツ傷害絡みで整形外科に通うことが多く興味を持ち、ポリクリでも整形外科の面白さや雰囲気を体感し入局を決めました。
琉球大学整形外科の魅力は?
細分化されたグループがありながらも多くの先生方からレクチャー等通して指導してもらえる、また外傷以外の症例も多くプレゼンテーションを通して深く学べる。
今後やってみたいことは?
今後は整形外科全般の知識技術を習得するとともに、興味のあるスポーツ分野についても少しづつ勉強していきたいです。

宮師雄太 (みやし・ゆうた)先生

入局
2020年
出身校
琉球大学医学部(2018年卒業)
初期研修
沖縄県立中部病院
入局を決めたのは?
沖縄県内で整形外科をやりたいと思い、母校である琉球大学のプログラムで研修を行うこととなりました。
琉球大学整形外科の魅力は?
日常診療でわからないことがあれば臆することなく聞ける環境で、様々な面で若手が研修に集中できるように配慮いただいております。普段話さない英語をカンファレンスなどで鍛えることができるのも魅力です。
今後やってみたいことは?
元々マイクロサージャリーをやりたいと思っていました。ただ整形外科はその領域が多岐にわたるため1つ1つ研修を積み重ね、自分が最も貢献できることを探したいと思っています。