医学生・研修医の方へ

医局長に聞く琉球大学整形外科で描くキャリア

医局長に「大学病院での臨床・研究・教育を両立させる魅力」を伺ってみました。

仲宗根先生のこれまでの経歴を教えて下さい

私は2000年に琉球大学医学部を卒業して、琉球大学附属病院(現:琉球大学病院)、南部徳洲会病院、那覇市立病院、沖縄リハビリテーションセンター病院、中部徳洲会病院を経て、多くの先生のご指導をいただき、整形外科領域の基礎と経験を積み上げてきました。医師7年目に沖縄に最小侵襲手術(MIS)の人工関節置換術を取り入れたいと思い、日本にMISを最初に導入した湘南鎌倉人工関節センター(平川和男先生)に1年間国内留学しました。そこで350例近くの人工股関節置換術や周術期管理の経験をさせていただき、沖縄にMISの技術と知識を持ち帰りました。治療を続けていくと、次は人工関節の設置不良による脱臼や耐久年数の問題点が見えてきました。そのため大学院への進学を決め、大阪大学整形外科(菅野伸彦先生)へ留学しコンピュータ支援技術を用いた人工関節置換術の研究を行いました。さらに臨床研究を追い求めて米国スタンフォード大学(William Maloney先生)のもとへ短期留学しました。その後、琉球大学整形外科のジョイントグループチーフとして股関節、膝関節、関節リウマチ、小児整形などを引導し、臨床・研究・教育を三位一体で取り組み、若手の育成を行っています。このように意欲があれば様々な道が開け、自分次第でキャリア形成を行うことができるという点で、琉球大学整形外科はすばらしい医局だと思っています。

琉球大学整形外科はどんな医局の雰囲気ですか

医局の雰囲気はよいと好評です。とくにこれまでの専攻医の先生からは「カンファレンスでもざっくばらんに質問することができる」「丁寧に教えてもらえる」「フィードバックしてもらえる」などを高く評価してもらっています。もともと整形外科医は気さくに話せる人が多いことに加え、沖縄のウチナーンチュ気質であるおおらかな先生が多く、アットホームな雰囲気になっています。地方の大学ですが、新専門医制度開始以降、整形外科を専攻する医師は増えており2020年度は6人が仲間に加わりました。学生さんや初期研修医の先生方に、臨床実習や病院見学などを通じて、医局の雰囲気や学びやすさなどを感じ取ってもらえた結果だと思います。

琉球大学整形外科の特徴は

特徴のひとつは、西田教授が赴任されて以降、各グループの専門性が高くなったという点が挙げられます。特に脊椎外科の専門性の向上はめざましく、インストルメントを使った脊椎の固定で多くの患者さんの痛みが改善しています。
専門グループがチームを結成し、コミュニケーションをとることで治療の効率が上がり、治療に専念できるようになりました。それぞれが専門性を追求できる環境が整っており、専攻医や若手の専門医も高いレベルの診療を間近にみて学ぶことができます。

研修プログラムの特色を教えてください

私たちの整形外科専門研修プログラムは、これから専門医を取得したい先生にとって充実した研修を行うことができるものです。沖縄県は、多くの離島があり、海を隔てて他県と遠く離れているため、患者さんは県内で治療を完結する必要があります。このため私たちは整形外科疾患全般をオールラウンドに対応し、かつ、日本最高レベルの医療を維持し続ける必要があります。私たちは赤ちゃんからお年寄りまで、さらにはプロスポーツを目指す子供達や現役のトップアスリートまで担当し、予防、治療、啓発など幅広い整形外科領域に関わる必要があります。そのためには、膨大な知識と卓越した技術が必要ですが、決して一人だけでは治療を完結できません。チーム医療やリーダーシップを学ぶ、効率よい研修が非常に重要です。
 私たちの専門研修プログラムでは、整形外科領域のあらゆる疾患を網羅し、指導しています。多岐にわたる整形外科の診察法や手術を習得することは、私たちのプログラムの魅力でもあります。また、効率よく整形外科知識を獲得するだけでなく、カンファレンスや学会発表を通して、診療から学び、そこから反省し進歩できる謙虚な姿勢を学ぶことができます。
 専門医を取得後は、専攻医を指導するという立場になることで、知識の整理や手技の向上につながります。さらに、専門分野を追求し、一般的な疾患やまれな疾患だけでなく、治療難渋例やトラブル例にも対応できる整形外科医になることができます。  熱意のある指導医の下、知識や技術だけでなく、リーダーシップのある優れた専攻医を育成するのが私たち琉球大学整形外科プログラムの使命です。
さらに大学でのカンファレンスの中には、大学院生の研究の進捗などのリサーチミーティングがあります。リサーチマインドを身につけることは、診断、治療の応用力を育み、長い医師人生に厚みを持たせ、広い視野で患者さんを治療することができます。

女性整形外科医師についての考えは?

琉球大学整形外科では、女性整形外科医師の活躍を推進しています。
近年の琉球大学医学部医学科の女性の入学者割合は40%を超えており、2019年は47%と半数近くが女性でした。琉球大学整形外科は「整形外科分野は女性が働きやすく活躍できる」と考え、個人に即したプログラムを、女性医師の声を直接聞いて作成しています。2019年時点で沖縄県の整形外科には女性医師17人(16%)が在籍しており、全国平均の5%に比べ女性比率が多いです。これからも女性医師の声の届きやすい、働きやすい環境を目指します。女性医師からのメッセージもぜひご覧下さい。

「女性整形外科医師の育成」の取り組み

  • 出産、育児期間は本人のニーズに合わせた就業形態で、ワークライフバランスを考慮します。また、結婚・出産後の整形外科キャリア形成のための産後支援システムを構築します。
  • 男女に関係なく、お互いをサポートし合うシステムを作ります。家庭と仕事が両立できるようにします。
  • お子様やご家族に配慮し、朝カンファレンス等も自宅からオンライン参加することも可能で、臨床能力を習得できます。

最後にメッセージをお願いします

整形外科は多岐にわたり手術があります。赤ちゃんからお年寄りまで、首から足の先までをみる診療科でチーム医療が非常に重要です。私たちの専門プログラムに参加する利点は、効率よく整形外科の知識と技術を獲得でき、各専門分野の先生から直接質の高い指導が受けられることです。また、カンファレンスや学会発表を通して、診療を省み進歩できる謙虚な姿勢や、コミュニケーション能力など医師にとって不可欠な資質を養うことができます。連携病院にも専門性があり、外傷疾患から慢性疾患、手外科、膝、股関節、外傷、脊椎、リハビリテーションなど、さまざまな専門性の高い病院をローテーションできることも利点です。地域医療として県立八重山病院や宮古病院などの離島医療も経験することができ、地域医療を研修することができます。ローテーション病院の決め方は、専攻医へ意向調査を行い、家庭事情も相談しながら研修してもらいます。

琉球大学整形外科研修プログラムの特徴

の前の患者さんのために 我々に課せられた使命

沖縄県は、多くの離島があり、海を隔てて他県と遠く離れているため、患者さんは県内で治療を完結する必要があります。このため私たちは整形外科疾患全般をオールラウンドに対応し、かつ、日本最高レベルの医療を維持し続ける必要があります。私たちは赤ちゃんからお年寄りまで、さらにはプロスポーツを目指す子供達や現役のトップアスリートまで担当し、予防、治療、啓発など幅広い整形外科領域に関わる必要があります。そのためには、膨大な知識と卓越した技術が必要ですが、決して一人だけでは治療を完結できません。チーム医療やリーダーシップを学ぶ、効率よい研修が非常に重要です。

私たちの専門研修プログラムでは、整形外科領域のあらゆる疾患を網羅、指導しています。多岐にわたった整形外科診察法や手術を習得することは、私たちの整形外科プログラムの魅力でもあります。また、効率よく整形外科知識を獲得するだけでなく、カンファレンスや学会発表を通して、診療から学び、そこから反省し進歩できる謙虚な姿勢を学ぶことができます。

専門医を取得後は、専攻医を指導するという立場になることで、知識の整理や手技の向上につながります。さらに、専門分野を追求し、一般的な疾患やまれな疾患だけでなく、治療難渋例やトラブル例にも対応できる整形外科医になることができます。

熱意のある指導医の下、知識や技術だけでなく、リーダーシップのある優れた専攻医を育成するのが私たち琉球大学整形外科プログラムの使命です。

島が多い沖縄ならではの医療

沖縄県は南西諸島の島々(沖縄諸島・先島諸島・大東諸島)から構成されており、39の有人離島があります。最東端から最西端までは約1000km、最北端から最南端までは約400kmと広大な県域を持っています。宮古島と石垣島、久米島にはそれぞれ県立病院や公立病院が設置され、16島に県立診療所、4島に町村立診療所が設置されています。私たちのプログラムでは、県立八重山病院や県立宮古病院を連携施設とし、地域医療を研修することができます。本島や都市では経験できない限られた医療資源で行う診療など、医師としての実力や応用力をつけるチャンスを得られます。
 各連携施設には、専門指導医が常勤し、基本的・応用的・実践能力を備えた医師を育成し、地域住民の運動器の健全な発育と健康維持に貢献することができます。

域枠医師キャリア形成

琉球大学病院は沖縄県の委託を受けて地域医療支援センターが設立されています。地方を中心に医師不足の問題が顕在化している中、安定的に地域医療を守るために地域枠学生の将来設計、それに引き続き、研修体制の整備および安定した医師派遣体制の構築など、沖縄県全体を視野に入れた対策を行っています。
 私たちのプログラムでは、地域枠医師の指定医療機関である、県立宮古病院・県立八重山病院(離島)、県立北部病院・北部地区医師会病院(本島)が連携施設となっています。専門医取得後も地域枠キャリア形成プログラムを考慮することができます。

意あるさくな指導医

整形外科の専門医となるためには、膨大な知識と高い技術を身につけるとともに、チーム医療を学ぶ事が必要です。そして、それらを熱心に教える指導医が非常に重要です。
 琉球大学および連携施設では、専攻医に手術指導や知識の教示だけでなく、学会発表、論文執筆などを親身に丁寧に指導します。整形外科医は気さくに話せる人が多いことに付け加え、沖縄のウチナーンチュ気質であるアットホームでおおらかな指導医が多いです。
 これまでの専攻医の先生からは、「カンファレンスでもざっくばらんに質問ができ、教えてもらえる」、「フィードバックしてもられる」などを高く評価してもらっています。 

工夫を凝らした独自の指導

  • カダバートレーニングでの手術指導
  • 微小血管マイクロサージャリー縫合指導
  • AO骨折治療ミニコース
  • 人工関節置換術における三次元術前計画方法の指導
  • 各専門学会における企業展示ブースの見学ツアー
  • 看護師とのワークショップによるチーム体制作り など

根を超えた繋がり

沖縄の整形外科医は勤務医と開業医、他科との垣根が低く、横のつながりが強いことが特徴です。このため各専門分野の先生とコミュニケーションを取りやすく、相談がしやすい環境です。私たちのプログラムでは、専攻医にとって必要なコミュニケーションやチームワーク力を養うことができます。

究や学会発表への取り組み

琉球大学整形外科は、基礎・臨床研究や学会発表、研究会にも積極的に取り組んでいます。基礎学的な手法で整形外科疾患にアプローチすることは、臨床医にとって資質を養うことになります。琉球大学整形外科では、研究や新しい治療、予防・啓蒙活動を積極的に取り組んでいます。

究テーマ
  • 神経筋原性側弯症の病態・自然経過と治療戦略
  • 沖縄県における骨粗鬆症治療に関する疫学調査
  • 屈筋腱断裂における新しい縫合法の基礎研究
  • 悪性骨・軟部腫瘍の特性を制御するmicro RNAの探索と新規抗がん剤の開発
  • バイオ3Dプリンターを用いたスポーツ障害に対する再生医療の技術開発-ACL時の骨靭帯系都合部の再生ー
  • 人工股関節置換術後の脊椎-股関節アライメント変化 など
県内の究会
  • 琉球脊椎外科カンファレンス
  • 沖縄ハンドミーティング
  • 沖縄関節外科研究会
  • 琉大キャンサーボード
  • 沖縄骨転移カンファレンス
  • 琉球四肢重度外傷セミナー
  • 沖縄外傷セミナー
  • 沖縄小児整形外科講習会 など
防・蒙活動
  • 骨粗鬆症予防(一次骨折予防)
  • 二次骨折予防
  • ロコモティブシンドローム
  • サルコペニア など

一人の医者が治療できる患者はほんの僅かです。私たちは、将来の患者さんのために研究、そして新しい治療法を開発する必要があります。

の前にいない患者さんのために

実した臨床経験

整形外科の研修で経験すべき疾患・病態は、骨、軟骨、筋、靱帯、神経などの運動器官を形成するすべての組織の疾病・外傷・加齢変性です。また新生児、小児、学童から成人、高齢者まで全ての年齢層が対象となり、その内容は多様です。この多様な疾患に対する専門技能を研修するために、整形外科研修プログラムの施設群を構成する連携病院は26施設、合計123名の指導医が在籍し、さまざまな疾患を経験できるよう各施設の特長を生かした研修を行っています。

べての領域に豊富な症例数

大学病院では脊椎外科、腫瘍、手外科、小児整形外科、スポーツ・リウマチ、人工関節・骨盤骨折の6グループを2ヵ月毎にローテートして研修し、他の研修連携施設では外傷性疾患、スポーツ障害や加齢による変性疾患を中心に研修を行っています。

整形外科専門研修プログラムにおいて必要とされる症例数は、年間新患数が500例、年間手術症例が40例と定められておりますが、本プログラムでは基幹施設および連携施設全体において2019年度新患数49,310名、年間手術件数およそ23,653件 (他プログラムとの重複を含む)の豊富な症例数で、必要数をはるかに上回る症例を経験することが可能です。

幹病院の門グループ

基幹病院である琉球大学整形外科は専門性の高い6つグループで構成され、知識と技術を集結し、高度な治療や難渋例の相談を引き受けています。脊椎グループ、腫瘍グループ、手外科グループ、人工関節グループ、スポーツ・リウマチグループ、小児整形・リハビリテーショングループがあり、専門研修だけでなく、基礎研究や医学生教育を行っています。
 また、脊椎カンファレンス、骨転移カンファレンス、ハンドミーティング、関節外科研究会、キャンサーボードなどの県内の整形外科医だけでなく、癌疾患を取り扱う他科の先生とのディスカッションも盛んに行なっています。

女性医師の活躍推進

琉球大学整形外科では、女性整形外科医師の活躍を推進しています。近年の琉球大学医学部医学科の女性の入学者割合は40%を超えており、2019年は47%と半数近くが女性でした。琉球大学整形外科は「整形外科分野は女性が働きやすく活躍できる」と考え、個人に即したプログラムを、女性医師の声を直接聞いて作成しています。2019年時点で沖縄県の整形外科には女性医師17人(16%)が在籍しており、全国平均の5%に比べ女性比率が多いです。これからも女性医師の声の届きやすい、働きやすい環境を目指します。私たちは女性整形外科医師が活躍する場を提供し、女性整形外科医師の育成に取り組んでいます。

女性医師育成取り組み

整形外科研修の休止、中断、プログラムの移動、プログラム外研修には条件がありますが、私たちの取り組みを示します。

  • 出産、育児期間は本人のニーズに合わせた就業形態で、ワークライフバランスを考慮します。また、結婚・出産後の整形外科キャリア形成のための産後支援システムを構築します。
  • 男女に関係なく、お互いをサポートし合うシステムを作ります。家庭と仕事が両立できるようにします。
  • お子様やご家族に配慮し、朝カンファレンス等も自宅からオンライン参加することも可能で、臨床能力を習得できます。

2020年~ 攻医へのクティブラーニング

  • アクティブラーニング
     専攻医自らが協力して学び合い、スキルを習得する環境を提供しています。
  • 若手医師主導のウェブセミナー
    私たちは、若手医師主導のセミナーを開催し、若手の積極性やモチベーションを上げる教育方法を取り入れています。 通常の学会や研究会では、若手医師は座長や世話人などの経験はなかなかできませんが、ウェブという気軽な場を用いて責任のある役割を担うことで、より深く整形外科疾患の病態や治療を理解できるようになります。
  • 手術手技の習得・向上
     手技の向上や技術の上達のためには、下記の3要素が重要です。
    1.Motor skill(繰り返し練習で上達)
    2.Cognitive skill(エラー察知能力、対応力、とっさの決断力)
    3.Attitude(謙虚さ)
     どのような簡単な手術でもピットフォールがあります。そのためにも豊富な指導医の下で、ピットフォールを察知し、対応し、決断するスキルを習得する必要があります。それでも生じてしまった合併症には迅速に真摯に対応しなければなりません。私たちを信頼し、任せてくれた目の前の患者さんのために、そして自らの誇りのために「謙虚さ」は重要なのです。

専門医プログラム応募方法

応募に必要な以下の書類を郵送またはメールでお送り下さい。選考は面接、もしくは試験にて行います。

必要書類 1. 琉球大学医学部整形外科専門研修プログラム応募申請書
2.履歴書
3.医師免許証(コピー)
4.医師臨床研修修了登録証(コピー)あるいは臨床研修修了見込み証明書
5.健康診断書
送付先 郵送の場合
〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町上原207
琉球大学医学部整形外科 医局長 仲宗根哲 宛
メールの場合 seikei@w3.u-ryukyu.ac.jp 医局長 仲宗根哲宛

※新専門医制度の研修プログラム応募手順(https://jmsb.or.jp/senkoi/#an02)を参考にweb管理登録は必ず各自で行ってください。

教室見学のお問い合わせ

所在地
〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町上原207 琉球大学大学院医学研究科整形外科学講座
医局長
仲宗根 哲(なかそね さとし)
TEL
098-895-1174
Email
seikei@w3.u-ryukyu.ac.jp

見学のお問い合わせは「琉球大学臨床研修センター」
https://sotsugo.skr.u-ryukyu.ac.jp/center/tour/)にご連絡ください。

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